じつはわたしは学生の頃に、絵本作家になりたいと思っていた時があって……それは、たくさん見てきた夢の中の一つでしかないんだけれど。その時は、けっこう真剣に「なりたい!」って思ってました。
子供の頃、そんなに身体の強くなかったわたしは、よく体調を崩して学校を休むことが多かったんです。家でじっと家族の者が帰ってくるまで寝てるしかなくって。そんなわたしを気づかって、母はよく図書館から大量の本を借りてきてくれました。その主なものは図鑑や絵本、童話の類。
布団の中でそれらの本を読んで、イラストや写真を見ては主人公になりきって、冒険に行ったり、仲間と一緒に悪い鬼をやっつけたり、素敵な宝物を見つけたり。いま思えば、わたしが声優になる礎がこの時にできていたような気もしますね(苦笑)
そんな感じで、本は私が物心ついた頃から傍にあるものでした。
いつしか読む本も図鑑や絵本から教科書になり、小説になり、辞書になり。すっかり絵本なんて読まなくなっていました。
いくつの頃だったっけっかなぁ? あるていど大きくなってからなんだけど。その頃の自分は色々と毎日を思い悩んでて……きっと子供から大人へと変わってきた自分自身や周りの環境。その変化にとまどっていたんだと思う。
その時に、ふと手にした絵本が 「誰もが自分のことをダメな子だと言っても、大切な誰かが本当の自分を見て認めてくれるなら、それだけで君はダメな子じゃない」 っていう内容で。
なんだか、それだけのことなんだけど、心がふっと軽くなったのを感じたのを今も覚えています。
それから絵本作家にあこがれて、高校生の頃は文学部に入って絵本や童話ばっかり書いてました。いろんなところに送ってみたりして、受賞は残念なことにできなかったけど、他の方の受賞作品を読んでは刺激を受けたりしてね。
ある時から夢は絵本作家から声優に変わって、今はその夢が叶って声優としてお仕事をさせてもらっていますが。まさか、いま絵本に関わるお仕事ができるとは思ってもいませんでした。
それは時代の流れに沿って、本からゲームへと進化していますが。伝えたいことは変わらない、”たったひとつの大切なこと”
「ポップルと魔法のクレヨン」をプレイして下さった方の心にも、その大切な何かが届きますように……。
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